私たちは、ふだん口の中のことが健康と深く結びついているとはあまり感じていません。
しかし、歯や口の病気は、実はからだに直接影響していることが少なくないのです。
その代表的なものの1つに、歯周病と全身疾患の関係があげられます。
今日では、様々な分野の研究により、歯周病、あるいはその原因である歯周病菌が全身にさまざまな影響を及ぼすことがわかっています。
歯に付いた歯垢(プラーク)は、その成分の80%が細菌から出来ています。口腔内は温度が適度に保たれていますので、細菌には絶好のすみかとなり栄養となる糖分を得て繁殖します。
この大量に作られた細菌が、口腔から気管や食道、血液を通して全身へと運ばれ、循環器や呼吸器などの臓器に悪影響を及ぼします。
また、歯周病によって歯がぐらついたり抜け落ちたりすることで噛み合わせに不具合を生じ、そこから全身のバランスを崩すことがあります。
噛み合わせが不適当な状態にあると、脳を支える筋肉のバランスが崩れ、首の筋肉の緊張がおこり、そこから頭痛や肩こり、姿勢の悪化、手足のしびれ、顎関節症などの症状を引き起こすことにつながるのです。
全身の健康を維持するためにも、歯周病に罹らないことがとても重要になっています。